大会長挨拶
                 
御 挨 拶
      
第22回西日本臨床小児口腔外科学会大会長
公立学校共済組合九州中央病院歯科口腔外科
部長 堀之内康文
 西日本臨床小児口腔外科学会会員の皆様におかれましては、ますます御清栄のこととお慶び申しあげます。
 この度第22回西日本臨床小児口腔外科学会の大会長を仰せつかり、博多の地で開催させていただくことを大変光栄に存じます。
 私自身は診療では外傷後の処置や手術で小児に接することが多いことから、「こどもに怪我をさせない」、「安全に手術する」という意識が常に頭にありましたので、今大会は「安全」をキーワードにプログラムを組みました。
 基調講演は、日常生活の中での不慮の事故や外傷から子供たちを守る取り組みを広く普及させる活動をしておられる日本外来小児科学会 社会活動部会 アドボカシー委員会委員長の藤岡雅司先生に、「子どもたちのためにできること 〜アドボカシー活動について〜」と題してお話いただきます。
 またシンポジウムには、医療安全が大きく叫ばれる現在の状況を鑑みて、小児口腔外科手術の周術期管理と題して小児歯科医、口腔外科医、歯科麻酔科医のそれぞれのお立場から小児の歯科治療、口腔外科手術の周術期管理についてお話しいただきます。小児は大人を小さくしたものではないと言われます。こどもと大人全く別で、疾患や病態、治療を大人と同様に考えてはならないということですが、安全管理においてもこどもには大人とは異なる特有のトラブルや管理の難しさがあり、おとな以上の注意が必要です。シンポジウムでこどもの診療を安全に行うポイントを再確認したいと思います。
 特別講演はテーマから少しはずれますが、「歯科保健医療対策の経緯と近年の動向」と題して、九州歯科大学口腔保健学科の日高勝美教授にお話しいただきます。厚労省での長い行政経験から、これまでの歯科医療行政を振り返り、またこれからの歯科医療の向かう将来の指針となるお話しをお聞かせいただけるものと思います。
 教育講演は、口腔を通してこどもの全身をみる目を養うために、久留米大学医学部口腔医療センターの楠川仁悟教授に「小児の口腔疾患」と題する講演をお願い致しました。
 今回の学会が今後の小児診療の安全の向上に寄与すれば幸甚です。病院歯科口腔外科の小所帯での運営ですので何かと行き届かぬところもあるかと存じますが、円滑な運営に精一杯務めますのでたくさんの御参加をお待ち致しております。